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Text File  |  1994-11-16  |  2KB  |  34 lines

  1. 551/553   WST00364  和田 光平         餅は餅屋(上方)
  2. ( 8)   94/05/06 16:32
  3.  
  4.   餅は餅屋(上方)
  5.  
  6.  餅は,日本人が好んで食べる粘着性の高い食物です.昔話にも良く登場します.
  7.  モチ米を蒸して, 臼に入れて杵でつく. それを丸めてお餅にして食べる. それだけの
  8. 習俗から, 日本人のルーツが解明されつつあります. 
  9.   お赤飯は,モチ米に小豆を混ぜて蒸した強飯( おこわ) です.本来は赤い色をした米
  10. があって,それを食べていた弥生時代か, それ以前の記憶から来ている習慣です.
  11.  赤米は,モチ米の一種です.今も中国の雲南省最南端,西双版納(シーソウパンナ)
  12. に住む少数民族タイ族に伝わっています.「日本文化の基層を探る」( 佐々木高明,NHK
  13. ブックス,)に, 「モチ種の開発とその利用」と題する貴重な研究成果がありました. 
  14. 「昔は,モチ稲ばかりを栽培してウルチ稲はほとんど作りませんでした.モチ稲の種類
  15. もたくさんあって,その大部分は粒の丸い赤米でした.」と老農夫が語っています. 
  16.  ウルチ稲にはアミロース約20% とアミロペクチン約80% が含まれていますが, モチ稲
  17. はアミロペクチン100%のお米です. こうした粘着性の食物を好むのは照葉樹林文化に
  18. 共通する特徴です. ウルシを使い, お茶, 麹酒などを好むのも同様の特徴です. 
  19.   ところで, おモチには大きく二種類のものが存在します. ひとつはチマキのように, 
  20. 米を粉にして水で溶いたもの( シトギ) を, 器に入れたり葉っぱに巻いて蒸したもの. 
  21.   今では五月の節句にいただくチマキと神前に捧げるシトギとして残っているだけです
  22. が, 中国や台湾には, 今もたくさんあるようです. 
  23.   もうひとつは, ぬらした米をコシキに入れて蒸し, 臼に入れて杵で搗きあげたもの. 
  24.  私たちに馴染み深いのは, このツキモチです. 甑( コシキ) は後にセイロウに代わり
  25. ますが方式は基本的に同じです. 注目されるのは杵です. 台湾その他多くの地域で使用
  26. されているものは堅杵で, 月のウサギが手にしている棒状のものです. 私たちが使う柄
  27. のついたものは横杵といって, 極めて限られた範囲でしか使われていないそうです. 
  28.  照葉樹林文化圏の東の端, 江南地帯, 朝鮮半島の一部が, 横杵使用圏にあたります. 
  29.  このことから, 私たち日本人のルーツが次第に確定されつつあるという分けです. 
  30.  タイ族の人々は, お祝いのお土産に赤飯の強飯( おこわ) を差し上げる習慣まで
  31. あるそうです. 外国のお米はパサパサでおいしくないと語る人は, 弥生人の血が濃くて
  32. 粘着性を求める習性が強いのでしょう. 
  33.                            東海支社)和田 光平
  34.